2016/7/11

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-01, 2016/5/10

II.物件の取得

入場料100万円が貯まって名刺を作ったら、いよいよ物件探しに入ります。

A.物件の探し方

新たに土地を買ってアパマンを建てるか中古物件を購入する場合です。

1.インターネット

現在はほとんどこれでしょう。投資物件専門のサイトも数多くあります。いくつかのサイトを定期的に巡回するようにします。1ヶ月もすればインターネット上の物件の見方も分かってきますし、すぐ売れる物件の特徴も売れ残る物件の欠点も分かってきます。

2.不動産業者

時にビックリするようなお買い得情報を握っていることがあります。

3.競売

サラリーマン大家ブームで一気に注目が集まりました。競売の仕組みが素晴らしく整備され、インターネットで全国の情報を簡単に得られるようになっているため、人気のある物件では一般業者から買った方が安い事例もあります。一方不人気の物件(場所や建物自体)なら驚くほど安く落札できます。最大のリスクは落札できるか分からないこと。また裁判所が出している文書(3点セット)しか情報がないこと、悪質な入居者の強制退去は可能ですが費用がかかることなどが欠点です。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-02, 2016/5/11

4.個人売買

売主への直接交渉で物件を入手します。

個人売買が成立するための最大の武器は「情熱」です。嘘ではありません。欲しい物件の大家・オーナーを捜し出し、手紙を書いて購入を申し込みます。地域の住民センターなど公共の施設にご家族を含めてきてもらい、スライドなどを活用しながらプレゼンをします。手紙にもプレゼンにも自分の情熱を最大限に織り込みます。公共の施設を選ぶのは、売り手・買い手の双方に中立であることを示すためです。これを例えばあなたの会社の一室で行えば、売り手は警戒を解くことはないでしょう。同様に、売り手にも買い手にも直接の利害関係がない第三者に立ち会ってもらいます。

利点は不動産仲介業者が請求する仲介料を払わなくても済むこと。仲介手数料は法律で決まっており、3000万円の物件なら103万6800円もかかります。欠点は売り主・買い主の個人的な信頼関係に基づく売買であること。感情がこじれれば売買は成立しません(このことからも交渉の場の選定に注意しましょう)。またあとから欠陥が見つかったり(瑕疵)事実と契約内容が異なるなどのトラブルも発生する可能性があります。

5.銀行・弁護士・司法書士

特別な例として、銀行や弁護士・司法書士と言った法律家からの斡旋があります。いわばインサイダー情報でありとても有利な条件で入手できる可能性がありますが、それはいくつかの物件を手に入れてからの話です。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-03, 2016/5/12

B.新築・築浅・築古

それぞれに利点と欠点があります。建物が古くなればなるほどリターンは期待できますが建物に振り回されるリスクもまた大きくなります。

1.新築

あなたが元々土地を持っていて、その上にアパマンを新築するのなら順調な経営を期待してもいいでしょう。土地も建物も新たに購入というのでしたらお勧めしません。土地を買う分利回りが低下するからです。加えて、○○年保証を謳う大手デベロッパーに建築を依頼するのは考えものです。

大手デベロッパーのうたい文句はこうです

その1:長期に渡り安定した収入が確保できるため私的年金となります。

その2:賃貸建物の敷地が貸家建付地として評価されるため、更地よりも評価額が低くなり相続税の節税効果があります。

その3:賃貸建物の敷地が住宅用地又は小規模住宅用地で評価されるため、宅地としての固定資産税・都市計画税が軽減されます。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-04, 2016/5/13

こうしたセールストーク、特にその①は少し誇大広告だと思います。安定した収入はデベロッパーの都合でどうにでもなります。また相場より2割以上高い建築費が家賃保証の原資となっていることも忘れてはいけません。その②の相続税対策はバブル期に流行しました。バブル期が終わって20年が経過し、多くのアパマンオーナーは「アパマン経営」に困りはじめました。そこにハイエナのごとくサラリーマン大家 ボロ物件再生オーナーが現れ、「アパマン投資の決定版」として宣伝されているのです。

建築するときは、不動産黄金律を忘れないことです。収益物件です。収益以上にコストをかける必要はありません。入居者にとっては単なる仮住まい。終の棲家ではありません。簡素であっても清潔感があり誰にも媚びていないデザインでシンプルなものを建てましょう。豪華さや奇をてらったものは建て主の自己満足に過ぎません。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-05, 2016/5/14

2.築浅(ちくあさ)

新築物件は5年そして10年も経過すれば 真の力が見えてきます。歪むところは歪み、床や壁の安普請は入居率に跳ね返っています。真の力を見極めた上で購入すると良いでしょう。良く管理された物件は新築同様の入居率も期待できます。

ほぼ満室状態なのに売りに出される物件も数多くあります。利回りはそれほど良くありません。この手の物件は家賃の下降や空室よってオーナーが銀行の返済に耐えきれなくなったために放出されるものです。借金を抱えているため安く買い叩くことは難しいのですが、半年以上買い手が付かない場合にはオーナーも弱気になっていますので交渉の余地も生まれてきます。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-06, 2016/5/15

3.築古(ちくふる)

第1章でも触れました。「自営業」で「事業再生」案件として考えるべきです。なぜ「自営業」「事業再生」なのか。それはなぜガラガラなのかを考えれば分かります。

1)解約が多い(別紙 解約理由分析)

→日々トラブルが噴出します。その多くは大家の判断を要しますので、管理会社に任せきりというわけにはいきません。管理会社もトラブル対応に追われイライラしてきます。管理会社とは、すぐに連絡のつく方法を確立し、こまめなコミュニケーションが必要になります。

すぐ駆けつけることができない遠方にボロ物件を持っているのなら管理会社に権限をある程度移譲することが必要になり、しかも管理会社経由で修理修繕となりますのでコストも多くかかります。

2)空室期間が長く空いたらなかなか決まらない

→賃料は当然下がり続ける

3)地方の管理会社はビジネスパーソンとしての意識がゆるい

→場合によっては自ら管理し、自分でリフォームを発注し、賃貸業者へ営業を行うことで、物件の価値を高める必要も出てきます。日常の生活・本業に忙しく自分の時間を使うことのできない人には、不向きな投資法だと言えます。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-07, 2016/5/16

C.現場確認

欲しい物件がいくつかリストアップできたら物件そのものと立地を確かめます。

1.場所で成功の80%は決まる

不動産は文字通り不動産です。一度買ったら手離すまでその場所で経営しなければなりません。アパマン経営本では「こんなところでも満室にできた!」と誇らしくノウハウを披露しているものもありますが、初心者は真似すべきではありません。最初からいい場所でいい物件を買えば経験しなくてもいい苦労だからです。

自分の物件は入手後にどうとでも作り替えることができます。しかし、周囲の環境は変えることができません。

購入希望の物件はどこにあるのか、順調な経営を約束してくれるのか。自分の足を使って目と耳と鼻で確かめます。あなたの将来がかかっています。手間を惜しんではいけません。

「この場所は成功間違いなし」は初心者には難しいのですが、「この場所だと失敗間違いなし」はすぐ判断できるようになります。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-08, 2016/5/17

購入希望物件の周囲○○mの道を全て歩き、物件周囲の環境やライバル物件の入居率を調べます(物件取得後にもう一度歩きます)。

1)カーテンがあれば入居中、なければ空室

2)募集ポスターがあれば空室

3)電気メータやガスメータを目し、動いてなければ空室

また管理会社や募集している物件看板をチェックし、希望物件や周囲のライバル物件の管理状況を確認します。

交通の便や騒音の程度、周辺の匂いも確認します。できれば日中と夜の2回確認しましょう。昼と夜で状況が一般する場所は多くあります。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-09 2016/5/18

2.気をつけるべきこと

1)一人当たりの床面積

年々広くなってきています。ワンルームマンションであっても同じです。図面を見ただけで想像できるような狭い部屋ばかりでは客付けに苦労します。

2)部屋のタイプ

1Kや1DKといった単身向けの部屋は客付けは容易ですが退去率(回転率)も高くなります。

2LDK以上のファミリー物件はその逆です。またファミリー物件では同じ家賃で1戸建てを借りれたり新築できたりもするので、難易度は高くなります。

3)雨漏り

時に莫大な費用がかかります。費用を見越して安く買うか、修理完了後に買うようにします。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-10, 2016/5/19

4)駐車場

客付けで一番の障害となるのは駐車場の広さです。しっかり確認しましょう。今は1戸に1台は当たり前、ファミリー物件なら1戸に2台が要求されます。築古の物件ではファミリー物件であっても駐車場のない物件が数多くあります。敷地内に駐車場スペースが足りない場合は、敷地外駐車場を探します。ただし物件から徒歩5分以内(400m以内)に限ります。

5)バス・トイレは別であること

都心ではまだOKですが、地方に行けば行くほどバストイレ洗面台の三点セットは客付けが困難になります。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-11, 2016/5/20

3.遠隔地物件の購入は考えもの

遠隔地に物件を持って成功している大家さんは数多くいます。しかし私は最初の購入対象としての遠隔地物件には賛成できません。

物件も人も会えば会うほど可愛くなります。ノウハウのない段階で愛情の持てない環境を選ぶ必要はありません。また不動産は地場産業です。土地勘のある場所で、顔の知っている管理会社、建設会社、リフォーム会社が活躍してこそあなたの成功が約束されるのです。無駄な苦労をしないためにも最初は通える距離の物件を入手して下さい。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-12, 2016/5/21

D.運用戦略

ここまでくればどの物件を入手しようかおおよそ見えてきます。次にやることはその物件はあなたがお金持ちになる手助けをしてくれるか考えることです。

1.投資先の決定

どのタイプの不動産に投資するかを決定します。運用戦略として次ページ以降のメニューが用意されています。基本的には、所有する物件を賃貸することにより「家賃」としてインカムゲインを得ることです。転売で設けよう等と思っては行けません。安定したインカムゲインを得るためには「より高く」貸すことが必要です。家賃設定は100円単位で操作します。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-13, 2016/5/22

2.運用計画書の作成

欲しい物件の価格はあらかじめ知っています。手元にある現金も分かります。そうすると銀行からいくら借りればいいのか分かります。ネットには月々の返済額を計算してくれるサイトがたくさんあるので、自分の思う返済額を決定します。

次に、欲しい物件の家賃を調べます。多くはネットで調べることができますが、ネットに載っていなければ看板のかかっている管理会社に電話して聞いてみましょう。それを元に、毎月いくら入ってくるか計算します。これにより、物件を購入したあと月々手元に残る金額が計算できます。借入金が多い場合は手数料や税金なども含めて緻密に計算します。

どれだけ厳密に計算するかが、「勝ち組」と「負け組」を分ける第一の関門になります。築浅のページで触れたように、資金繰りに無理があれば途中で手離さざるを得なくなる(しかも利率が低いため売れない)ためです。勉強して下さい。勉強して知識をつけないと 取り返しのつかない失敗をします。失敗して立ち直るのは困難です。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-14, 2016/5/23

3.値段交渉

売り主から提示された値段は単に売り主の希望価格に過ぎません。不動産黄金律8つのうちの1つ目は「より安く買うこと」です。安く買うために必要なことは以下の2点です。

・物件に惚れ込まないこと

・いつでも席を立つ気持ちでいること

いろいろ物件を見ていくと「運命的な出会い」を感じる時があります。ですがそれは単なる錯覚であると肝に銘じましょう。物件に惚れ込むとあばたもえくぼに見えてしまい、値段交渉が甘くなります。あなたはアパマン経営で成功すると誓ったはずです。物件に惚れる情熱を成功することへの情熱に振り分けるべきです。

それに、物件は次々と出てきます。アパマン経営で成功しているのはたったの1割。残り9割の大家が持つ物件は放出予備軍です。条件が合わなければ次の出物を待ちましょう。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-15, 2016/5/24

E.資金調達

運用戦略が決まりましたので、いよいよ物件の購入にはいります。手元資金がいくらありますか?手元資金から購入時の諸費用として100万円を引いた金額があなたの自己資金です。

入場料の100万円はまだ残っていますか?? 次は種銭と言われる300万円から500万円をご用意ください。種銭は場合によってはフルローン(全額を銀行から借りること)でも調達可能です。ですが、自己資金が多いほど有利です。借入れは自己資金が用意できない場合のやむを得ない資金調達方法です。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-16, 2016/5/25

1.銀行融資

融資を受ける場合、最初にメインバンクを決めます。多くは信用金庫・JAバンク・地銀・第二地銀になるでしょう。銀行での融資判断はその人の属性(社会的信用度)が最も大きな材料になります。ですので属性に不安のある方は、アパマン経営で成功するぞと決めた日から、100万円の積み立てはメインバンクで行い、また自分で行っている他の取引(公共料金の支払い等)もメインバンク経由に変更して小さな信用を積み重ねます。

銀行へ融資を申し込むときは運用計画書・所得の分かる書類(確定申告の写し等)・現有財産が分かる書類(預金通帳など)を持って行きます。そして担当の銀行員に自分のやる気を売り込みます。場合によっては不動産仲介業者経由で融資を申し込んだ方が良い場合もあります。仲介業者に聞いてみるとよいでしょう。

但し、買おうとする物件に担保価値がないことには融資はつきません。担保価値についても仲介業者に確かめます。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-17, 2016/5/26

2.自己資金

何と言っても全額自己資金に勝るものはありません。ローンが多いほど銀行のために働いているような気がしてモチベーションが下がります。

経営戦略にも大きく影響します。返済金額が多いとあまり家賃を下げることができません。一方賃料は10年間で1万円の割合で自然に下がっていきますし、さらに家賃を下げることで新たな競争力が生まれます。返済額に縛られて家賃が高止まり→埋まらない→ローンの支払いができない→負け組となりかねません。

お金持ちになるためには、銀行からの融資額は最低限にすることです。繰り上げ返済を行い借金から抜け出すことです。お金持ちになるのは自分だけで十分。銀行までお金持ちにする必要はありません。

満室請負人(R)のアパート経営指南 II.物件の取得-18, 2016/5/27

F.購入にかかる費用

1.融資

銀行によって異なりますが、融資申し込み手数料、契約書印紙代、抵当権設定費用がかかり、さらに出資金などの費用もかかります。

2.物件購入

不動産取得税、仲介手数料、契約書印紙代、登録免許税、司法書士手数料などがかかります。


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